土木/調達

最適な調達を実現し、現場に貢献する

岩井 杏子の写真

土木/調達

最適な調達を実現し、現場に貢献する

土木構造物を造り上げるには、作業に用いる重機や、鋼材、セメントなど建設資機材を揃える必要がある。それらの調達を行うのが、岩井が所属する調達本部だ。岩井は主に、資材・工事の調達を担当している。「調達の依頼は全国の作業所から届きます。作業所の予算や納期、要求仕様を確認し、取引先との交渉や作業所との協議を経て、調達する金額を決定します。決定した金額は工事の収支にも関わるため、複数の協力会社に見積を依頼したり、新たな取引先を開拓したりと、最適な調達を実現する工夫も欠かせません」

INTERVIEW

岩井 杏子の写真

岩井 杏子

KYOKO IWAI

理工学部 土木工学科 卒
2011年入社

※内容は取材当時のものです

仲間と達成した地図に残る仕事

過去の経験はすべて今につながっている

スケールの大きな建造物を造りたい。その想いを胸に入社した岩井は、入社1年目から工事の現場に立っていた。今でも印象深いのは、入社2年目で携わった「雨天時貯留池」の工事だ。雨天時の下水を貯留する施設であり、その大きさは貯留量76,000立方メートル・地下4階建てという巨大なもの。さらにその上部には、32階建てのオフィス商業ビルを同時に建設するという大規模な案件だった。

「下部は土木工事、上部は建築工事のため、土建一体となって施工計画や施工管理を行わなければなりません。特に1階部分では、土木と建築の作業が混在するため、時間ごとに詳細な段取りが必要でした。連日、綿密に打合せをし、お互いのやり方を尊重しながら作業を進めました」

最初の1年間は主に土木工事用の施工図面の作成を担当し、その後、実際に貯留池の躯体構築を担当することになった。だが、自ら作成した図面のミスや、施工計画の甘さから計画通りに作業が進まず、施工方法をめぐって職人たちと衝突することもたびたびあったという。

「自分の考えに固執したまま、相手にストレートにぶつかってしまい、心が折れそうになることもありました。先輩や上司からは『こういう言い方で頼むといい』『こういうやり方もある』とアドバイスを受け、少しずつ失敗しながら覚えていきましたね。事前準備の大切さや、たくさんの人が関わる現場での立ち振る舞い、円滑に仕事を進めるためのコミュニケーションの大切さなど、多くのことを学びました。現在携わる資材の調達においても、そうした関係各所との調整は欠かせません。現場経験の一つひとつが、今に活かされています」

無事に貯水池の施工をやり遂げたあと、結婚・出産を経て、現在は本社の調達部門に所属している。岩井の担当はコンクリートや鋼材、足場材など、作業所で必要となる資材の調達だ。現場とは遠い仕事に感じられるが、そうではない。以前現場で関わった協力会社から『岩井さんだよね?』と声をかけられることもあった。

「現場を知っているからこそ、『この工事でこの資材の量は多いのではないか』や『この施工状況であれば、これくらいのスケジュールが良いのではないか』といった想像も働きます。過去の経験は、今の仕事に全てつながっているのだと実感します。今は子育て中で時短勤務のため、現場に出るのは難しいですが、こうした形で土木の仕事に関われるのが嬉しいですね。知識や経験をより深めて、調達の面から現場を支えられたらと考えています」

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仕事について

  • 仕事のやりがいは何ですか?

    大成建設が手がける土木構造物は、地域の重要拠点となるようなスケールの大きなものが多くあります。暮らしに欠かせない存在であることから、社会に及ぼす影響も大きく、その責任も重大です。だからこそ、完成時には大きな達成感があり、実際に利用されている姿を目にすると特別な感動があります。調達の仕事では、自分の裁量で案件を進めることができ、成果が目に見える形で現れます。時短勤務がハンデになることなく評価されるので、やりがいがあります。

  • 入社理由は何ですか?

    就職を考えたとき、頭に浮かんだのが幼い頃によく見ていた橋でした。大きさ、美しさ、走る車、下を通過する船が一つの景色となって印象に残っており、あのようなスケールが大きいものを造りたいとゼネコンを志望しました。大成建設に入社した決め手は、「地図に残る仕事。」に共感したこと、そして女性の採用に積極的だったことです。特に後者は、リクルーターから「女性の目を通して違った視点から現場を見てほしい」という話を聞き、女性が活躍できる企業なのだと興味を持ちました。

  • あなたにとって「地図に残る仕事。」とは?

    その地域を象徴し、次世代に引き継がれていくものを造る仕事だと思います。土木で施工する鉄道、橋、トンネルなどの社会インフラは、多くの人々の生活を支え、新しい人の流れを生み出します。ときにはその雄大さ、美しさから、観光名所や憩いの場にもなるでしょう。地域にとってなくてはならないもの、長い時間をかけて利用されるものだからこそ、「地図に残る仕事。」になるのだと思います。

  • 今後の目標を教えてください

    女性の土木技術者として、長く働きたいと思っています。現場は、日々目まぐるしく状況が変化するため、時短勤務で働くのはまだまだ難しいのが現状です。しかし、私が現在所属する調達本部では、案件ごとに担当が決められているため、時短勤務や在宅ワークでも自分で時間管理を行いながら仕事に取り組むことができています。ライフステージが変化しても土木に関わる実感を得ながら働ける、そうした働き方の先例を作り、長く勤めたい女性社員の手本となるような仕事ができればと思います。

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