土木/機械

トンネル工事の心臓部を担う

福原 智幸の写真

土木/機械

トンネル工事の心臓部を担う

土木工事の現場に最も適した機械・電気設備を選定し、実際にそれを使用して施工管理を行うのが土木機械の仕事である。2013年に入社した福原は現在、土木機械の担当として、トンネルにおけるシールド工事に携わっている。「シールド工事は地下でシールドマシンによる掘削を行いますが、小さなトラブル一つで地上の建物に大きな影響を及ぼしてしまうほどの難工事です。そのなかでシールドマシンやその他の設備について、故障を未然に防ぐことのできるよう日々メンテナンスを行い、使用する機械の計画から設置、トラブル対応までを担当しています。竣工後は目に見えなくなってしまう仕事ですが、工事には欠かせない重要な役割です」

INTERVIEW

福原 智幸の写真

福原 智幸

TOMOYUKI FUKUHARA

理工学部 機械情報工学科 卒
2013年入社

※内容は取材当時のものです

仲間と達成した地図に残る仕事

地図では見えない社会をつくる

2013年の冬。東京の寒空の下に福原の姿があった。初めての配属で任されたのは、都内の大型鉄道工事の現場。土木工事とはトンネルやダム、橋など、どこか人里離れた土地で行うものだと思っていた福原にとっては、驚きが大きかった。最初の配属が東京の中心地。しかも福原自身、学生時代によく訪れていた場所だ。

「まさか見慣れた街で工事を担当するとは思っていませんでした。私が学生の頃から行われていた大型プロジェクトでしたので、配属が決まったときは素直に嬉しかったのですが、新人である自分に務まるのかと不安もありました」

開削工事により地下に鉄道トンネルを掘り、そこに複数の路線を通わせるプロジェクトだったが、福原が担当したのは、ボックスカルバートと呼ばれるコンクリートの構造物を施工し、電車の通り道をつくる仕事だった。鉄道は公共交通機関であるため、頑丈で安全な設備にしなくてはならず、その基準も極めて高い。当時まだ駆け出しの技術者だった福原にとって、そのプレッシャーは重くのしかかっていた。

工事を進めるなかで、疑問点や分からないことは上司や同僚に相談しつつ作業を行っていった。学生時代に機械工学を学んでいたとはいえ、建設機械を扱うことは容易ではない。「学生時代の学びが活かせる部分もありますが、施工においては大半が初めての経験です。建設とは何かを一から体得していくような感じでした」

だが、時には自分自身で判断を下さなければならない場面もあった。工法について何度も確認を行い、現場の職人と連携しながら進めていく。上司に頼り切るのではなく、まずは自分で考えてやってみる。すると福原は次第に知識が身に付き、仕事が面白く感じるようになった。大きな責任が伴うものの、自らが慣れ親しんだ地のプロジェクトに携われることはこの上ない喜びだった。

「無事開業のときを迎え、列車の始発が通過した瞬間は今も目に焼き付いています。プロジェクトが終了した後も、その路線を何度か使っていますが、そのたびに工事の様子が目に浮かびます。私が担当した箇所は、普段人の目に触れることはないかもしれません。それでも、見えないところで社会を支えているという使命感が沸々と湧いてきます」

気づけば約5年、福原は鉄道トンネルの工事に携わっていた。そして現在手がけるのは、道路トンネルの大型プロジェクト。自信に満ち溢れた様子で、様々な機械を稼働させている。技術者として確実に成長している姿がそこにあった。

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仕事について

  • 仕事のやりがいは何ですか?

    スケールの大きい仕事ができる点だと思っています。大成建設の土木部門が手がけるのは、鉄道や高速道路のトンネル、橋など、大型の施工物件が多く、大きな使命感を持って仕事に臨むことができます。社会に及ぼす影響や責任は計り知れないですが、その分やり遂げたときの達成感はなかなか味わうことができません。自分が携わった場所に足を運び、実際に利用している人たちの姿を見たときの喜びはひとしおです。

  • 入社理由は何ですか?

    学生時代から機械の分野を学んでおり、就職活動中は幅広い業界を視野に入れていました。中でも、形として残り、社会に貢献できるような大きな仕事に携わりたい、と考えたのが建設業界を志望したきっかけでした。大成建設は空港やトンネル、橋、高速道路など、私たちが身近に感じることのできる公共建造物の施工に数多く携わっており、私もそうした案件に関わりたいと思い、当社への入社を決めました。また機械担当社員として、自分の学んできた道を活かすことのできる点も魅力的でした。

  • あなたにとって「地図に残る仕事。」とは?

    地図上に残る建物をつくることもそうですが、建て直しや移転があったとしても、「昔はあの場所にこんな建物があったな」と人々の記憶に強く残すことのできるような、大変意義のある仕事だと思っています。またトンネルやダムなど土木の現場は、竣工後に見えなくなってしまうことも多いのですが、そこには工事に携わった人たちの想いが残ります。私たちの仕事は、そんな人の心を動かすような仕事だと感じています。

  • 今後の目標を教えてください

    開業後に担当していた現場を見に行くことがありますが、そのたびに当時のことが脳裏に浮かびます。どの現場に行っても、大きな機械を操り、一つひとつの場所で想いを込めてインフラ整備に貢献したいと思っています。より多くの鉄道や道路トンネルの現場に携われたらと考えています。「ここは自分が地図に残した場所なんだ」と、胸を張って言える現場を一つでも増やせたら嬉しいです。

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同僚からのコメント

丹部 光貴

土木(機械)

福原さんには同じ作業所の土木機械担当の先輩として、日々ご指導をいただいています。シールドマシンや掘進に伴う機械のメンテナンスや日々のトラブル対応など、多くの作業を福原さんと一緒に進めています。社内でも土木機械の社員は決して多くないため、同じ現場に経験豊富な先輩がいることは非常に心強いです。私のような後輩社員にも気さくに話しかけてくださりますし、相談しやすい雰囲気をつくっていただいているなと感じます。福原さんの全てを見習いたいと思っているのですが、なかなか追いつけそうにありません(笑)私が福原さんと同じような立場になったとき、そのスキルをきちんと身につけていられるように、努力したいと思います。

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