国際

グローバル案件を司る

徐 サンの写真

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グローバル案件を司る

国際支店に所属する徐は、海外案件の事務担当として、海外作業所内での総務、経理、会計といった施工以外の業務を経て、現在は東京で国際プロジェクトの業績管理を担当している。「国際支店は国内の仕事とは異なり、土地勘がほとんどない国や地域でプロジェクトを進めます。価値観や考え方が異なる多様なメンバーと連携し、工事の進行や業績の管理を行わなければなりません。そのため、プロジェクトに影響を及ぼすような人的・環境的要因を事前に抑え、リスクヘッジをするように心がけています」

INTERVIEW

徐 サンの写真

徐 サン

SHAN XU

政治学研究科 修了
2015年入社

※内容は取材当時のものです

仲間と達成した地図に残る仕事

あらゆる困難を経て得るもの。

海外の工事案件に携わり、グローバル人材として活躍すること。中国で生まれ育った徐にとって、日本のみならず諸外国を飛び回りながら働くことは、入社当時からの目標だった。6年ほど国内の現場で経験を積んだ後、海外案件を手がける国際支店への異動が決まり、夢が叶うことになる。

徐が担当することになったのは、東南アジアのとある国における、交通インフラ整備のプロジェクト。観光資源が豊かな当該国において、海外からの観光客を大勢招き入れるためには、インフラの整備が欠かせない。国をあげての一大プロジェクトだった。自分の仕事が、この国の発展につながる。必ず成功してみせる――。そんな意気込みで現地に向かった徐を待ち受けていたのは、困難の連続だった。

「環境や国民性の違いは多少覚悟していましたが、想像以上でした。例えば工事資材を発注しても、配送遅延や注文ミスで作業が止まってしまうことは日常茶飯事。また一緒に働くはずだった現地スタッフが、急に来なくなってしまうなど、就業観の違いにも驚かされました。同じ建設業とはいえ、日本と海外のギャップは大きく、戸惑いましたね」

思い通りにいかない日々に焦りや不安を感じていた徐に対して、さらなる逆風が吹くことになる。赴任していた当該国が、コロナショックによって観光収入が激減し、経済危機に直面。その影響で、建設機械を動かすために必要なガソリンやディーゼル燃料が不足、また火力用燃料不足による長時間の計画停電が発生するなど、相次ぐ壁が立ちはだかった。

「うまくいかないながらも試行錯誤して、徐々に工事が軌道に乗り始めていた矢先、プロジェクトを止めざるを得なくなってしまいました。外的要因とはいえ、竣工まで成し遂げられなかったことに対して、悔しい気持ちで一杯でした」

初の海外案件ということもあり、人一倍強い想いでプロジェクトに臨んだ徐だったが、改めて建設の難しさを痛感することとなった。しかし、このプロジェクトを経験したからこそ、国内のプロジェクトでは意識できなかったリスクも、考えることができるようになったという。

「現地スタッフの人数や燃料が不足した際のリスクなど、国内では発生する確率が低いことも、海外では起きる可能性があります。不測の事態に備えて、先回りして物事を考える習慣が身につきました。そのことを学べただけでも、私にとっては貴重な体験です。また竣工までは辿り着くことができなかったものの、新興国の発展に少しでも携わることができたので、今後の糧にしていきたいと思います」

大きな期待を抱き、挑戦した初の海外案件。当時、徐が感じた熱い想いは決して消えることなく、今も燃え続けている。

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仕事について

  • 仕事のやりがいは何ですか?

    規模の大きい民間工事だけでなく、国際的な協力案件(ODA案件)に携われることにやりがいを感じます。現地スタッフとのコミュニケーションの取り方や国際取引における契約書の作成方法など、日本のプロジェクトでは経験できない苦労も多いですが、異なる考えや価値観を持った人々と力を合わせ、新興国の成長をサポートできた際の喜びはひとしおです。また、そんな仕事を続ける中で新しい知識や経験も身につき、自らの成長を実感します。

  • 入社理由は何ですか?

    就職活動当時は来日して間もなかったこともあり、自分の知っている企業であること、業績が安定している大手企業であることを軸に企業を探していました。その中でテレビCMが印象的だった大成建設に応募し、建設業の社会貢献性の高さに魅力を感じていました。最終的には、選考を通じて、日本での就職活動に不安を抱えていた私に対して、リクルーターを含む社員の方々が親身に寄り添ってくれたことが決め手となり、当社への入社を決めました。

  • あなたにとって「地図に残る仕事。」とは?

    プロジェクトに携わった様々な人たちの心に残る仕事だと思います。海外の工事を無事にやり遂げるためには、現地スタッフのサポートが必要不可欠であり、国境を越えたチームを形成することになります。その際、当社の社員だけでなく、現地の方々にとっても関わるプロジェクトが、今後の生活やキャリアを支える大切な経験となり、プロジェクト終了後も記憶に残り続けるものになると考えています。

  • 今後の目標を教えてください

    今後はより専門的な知識や経験を身につけることで、キャリアアップを図りたいと考えています。これまで作業所事務の仕事を通じて、総務や経理など様々な業務を経験したことで自分に足りない部分を実感することができました。これからは当社のビジネスを俯瞰した視点で考えられる人材になるために、会社経営をサポートする会計知識の習得や国際取引に役立つFIDIC契約約款の理解度向上など、今まで以上に学ぶ姿勢を大切にしていきたいです。

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