建築デジタルエンジニア

データをデザインする

池上 晃司の写真

建築デジタルエンジニア

データをデザインする

2012年に入社した池上は、建築設計を経て、現在は建築デジタルエンジニアとして、デジタルプロダクトセンターに所属している。BIMという建設におけるデータ生成、活用、マネジメントを行い、建設とデジタルの新たなカタチを模索するのが、彼の役割だ。「生産性の向上が叫ばれる現代社会において、デジタルの活用は不可欠。個別案件や部署間の連携を進め、新たな建築生産プロセスの創出、デジタル技術導入による建設業の進化を目指すのが、私の仕事です」

INTERVIEW

池上 晃司の写真

池上 晃司

KOJI IKEGAMI

理工学研究科 建築学専攻 修了
2012年入社

※内容は取材当時のものです

仲間と達成した地図に残る仕事

人とデジタルが調和する社会の実現を目指して

人とロボットがコミュニケーションを取る姿が、日常に溶け込んでいる。近未来的な空間の中で、人々が快適に暮らしている。幼少期に観たSF映画には、そんな世界が広がっていた。「いつか実現できる日が来るのかな」。自分の手でSFの世界を現実のものにしてみたいと思い、学生時代は自然と建築の道に進んでいた。そして意匠設計を学び、大成建設へと入社した。大型商業施設の設計などに携わった後、2018年から現在のデジタルプロダクトセンターにおいて、建設のデジタルデータ活用に取り組む。

「大成建設にはBIMやVR、AI、ロボティクスなど、様々な技術があります。それらのデータを集積し活用することで、無駄な作業や人手不足の解消につなげたいと思っています。どのようなデータが求められているのか関係各所にヒアリングを行い、データの分析などを通じて、現場に還元していくのが私の役割です」

特に思い出深いのは2022年、入社11年目の時に従事した、ISO19650の認証取得。建設プロセス全体において、BIMを使用した情報管理に関する国際規格であり、認証を取得することで、大成建設の情報管理のクオリティの高さを担保するとともに、国際的な大型案件の受注に向けて大きなアドバンテージとなる。池上はそのプロジェクトのリーダーを任されたのだった。

「会社として国際規格を取得するプロジェクトですから、私のような年次の社員がリーダーを任されることは稀だと思います。ただ、大成建設は若手に大きな仕事を預ける文化があるので、私も主体的に取り組むことができました」

認証取得に向けて、それぞれのデータを保有する関連部署と連携しながら資料を揃えていく。初めのうちはどの部署に連絡をすれば良いかわからず、手探り状態であったが、思いつく限りの担当者とコミュニケーションを取り、準備を進めていった。意匠設計の仕事と直接的な関係はないものの、設計から施工までの流れを知る池上だからこそ、実務経験とデジタルデータの知識を融合させ、案件を進捗させることができたのだろう。そして2022年10月、大成建設はISO19650の認証を取得した。

「非常に責任の大きな仕事でプレッシャーも感じましたが、それ以上に日本でも実例の少ない取り組みだったので、前向きに仕事を進めることができました。建設業界におけるデータ活用はまだまだ伸び代があるので、これからの未来をつくる社会の牽引役になれるのではないかと、ワクワクしています」

幼き日に夢見たSFの世界。池上がその未来をつくり出すときは、そう遠くないのかもしれない。

仲間と達成した地図に残る仕事の画像

仕事について

  • 仕事のやりがいは何ですか?

    大成建設という大きな組織の中には、多岐にわたる分野の職種が揃っており、建物を建てるだけではない様々な仕事にチャレンジできる環境があります。例えばデジタル活用を前提とした街づくりや、サステナブルな社会の実現に向けた取り組みは、従来の建設業にはなかった新たな領域であり、今後の社会の発展に大きく貢献できるのではないでしょうか。より多くの方々の声に耳を傾け、これからの社会に役立つ建設業のデータを考えていくことは、非常にクリエイティブで面白いと感じます。

  • 入社理由は何ですか?

    幼い頃からSF映画などに憧れを抱いており、そこに登場する建物や設備を、いつの日か自分の手でつくれたらと思っていました。自らのアイデアを活かしながら、設計から施工まで一貫して手がけることができるのは建設会社であり、中でも大成建設は、ZEBやBIMなど未来につながる技術を早くから取り入れていたため、ワクワクした気持ちになったことを今でも覚えています。そうした理由から当社への入社を決意しました。

  • あなたにとって「地図に残る仕事。」とは?

    デジタル分野の業務は、物理的に「地図に残る仕事。」にはならないのですが、「このプロジェクトを地図に残すには、デジタル担当者が不可欠」と言われるような仕事がしたいと思っています。建設会社のデジタル化は、外部のIT企業に依頼すれば何とかなるというものではなく、一方で自分たちだけで解決できるものでもありません。ITの専門家と建設の専門家をつなぎ、コラボレーションさせるのが建築デジタルエンジニアであり、私たちの「地図に残る仕事。」だと考えています。

  • 今後の目標を教えてください

    建物の計画や設計段階では、CGを駆使してイメージ図を作成することがよくあります。しかしながら、それらのデータが施工の段階で活用されるケースは少なく、デジタルデータと現実社会の間には、まだまだ隔たりがあると感じます。データの信頼性を高め、生産性の向上や社会の変革につなげるべく、大成建設におけるデジタル分野の旗振り役になりたいと思っています。

仕事についての画像

同僚からのコメント

上田 恭平

設計(建築)

池上君と私は同期で、同じ建築設計として入社しました。入社当時から感じていた池上君の凄さは、コミュニケーション力の高さです。職種や年次にかかわらず積極的に会話することができるため、同僚からの信頼が厚く、周囲を巻き込みながら仕事を進められているのだと思います。今でこそ別々の職種ではありますが、プロジェクトで関わる機会も多く、気軽に相談することのできる良き仲間です。これからも連携し合いながら、大成建設を牽引していけたらと思います。

同僚からのコメントの画像