建築創造エンジニア

建設業界にDXをもたらす

平田 祐之介の写真

建築創造エンジニア

建設業界にDXをもたらす

2013年に入社し、施工管理としてのキャリアを歩んできた平田。現在はデジタルプロダクトセンター建築生産室にて、作業所業務の支援や、BIM(※)活用による生産性の向上に取り組んでいる。「現在はデジタル技術を活用して、大成建設の工事現場における業務効率化を目指しています。ITの存在が当たり前となった現代において、建設業界はそうしたデジタル分野の活用が遅れています。ただ、そのためには何が現場で求められているのかを理解していなくてはなりません。建設会社はやはり、現場が核となります。私自身も現場での経験があったからこそ今があります」

※Building Information Modelingの略称で、コンピューター上に作成した3次元の建物のデジタルモデルに、コストや仕上げ、管理情報など様々なデータを追加して建築物のデータベースつくり、設計、施工、維持管理などあらゆる工程で情報活用を行うための新たな仕組みのこと

INTERVIEW

平田 祐之介の写真

平田 祐之介

YUNOSUKE HIRATA

デザイン工学研究科 建築学専攻 修了
2013年入社

※内容は取材当時のものです

仲間と達成した地図に残る仕事

助け合うから、喜びを分かち合える

東京・虎ノ門。1962年にこの地で開業し、半世紀以上にわたって世界中の観光客から愛されてきた、とあるホテルがある。その由緒正しいホテルが、生まれ変わろうとしていた。大成建設が新築工事を受注し、工事がスタート。そこに抜擢されたのが、当時入社4年目の平田だ。2016年から施工管理として携わり、地下の躯体工事を担った。誰もが知る一流ホテルの工事。平田は高揚感を抱かずにはいられなかった。

「若手の頃からこうした著名なプロジェクトに関われるのは、当社ならではの良さだと思います。私はある工区を任され、同年代のメンバーを5人ほどまとめる役割だったのですが、初めて工区のリーダーに選ばれたこともあって、大きなやりがいと使命を感じていました」

だが、現実は甘くない。本件においては、逆打ち工法と呼ばれる特殊な工法で工事を進めており、彼にとっては経験のない工法である。未経験の技術を扱ううえ、初めてチームを束ねる立場を託されていた平田。スムーズに工事を進捗させることができず、遅い時間まで対応しなければならない日もあった。

そんな慣れない仕事に苦戦を強いられるなか、手を差し伸べてくれたのは、共に働く仲間たちだった。同じチームのメンバーだけでなく、他工区のメンバーまでもが「大丈夫か?手伝うことはあるか?」と声をかけてくれ、トラブルが発生した際には、持ち場の作業を止めてまで駆けつけてくれた。また平田自身は部下を持つ立場となり、「相手の立場に立って仲間をモチベートし、どれだけ前向きに仕事に取り組んでもらえるかが重要」と考えるようになっていた。だからこそ、困っている同僚がいたら自ら声をかけ、サポートに向かう。現場には「助け合い」の精神が根付いていった。

「仲間の存在なくして、工事の成功はありませんでした。苦楽を共にしたプロジェクトメンバーは、他社の社員を含め休日も一緒に過ごすほど仲が良くなり、仕事の枠を超えた友人になっています」

工事の進捗とともに、築かれていく仲間との絆。そうした建設現場ならではの醍醐味を感じた平田であったが、年次を重ねていくうちに問題意識を持つようになっていた。建設業界特有の業務環境についてである。

「作業現場では紙の図面や書類を使って作業をすることも多く、効率化が進まずに労働時間だけが伸びてしまうような環境がありました。これでは若手の人材が建設業界から離れてしまい、次世代の担い手が育たないことが懸念されます。私が現在所属するデジタルプロダクトセンター建築生産室は、BIMなどの最新技術を駆使しながら、作業所現場の生産性向上を支援する部署です。業務効率化はもちろんのことですが、これまでは「建物を建てる仕事」がメインだった当社において、例えばビッグデータを活用した新たな建築物のあり方を模索するなど、今までにない取り組みにもチャレンジしています」

若手時代の現場で、かけがえのない仲間たちと巡り会ってきた平田。そこで芽生えた使命感を抱いて、建設業界に新たな世界を築こうとしている。

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仕事について

  • 仕事のやりがいは何ですか?

    主体性を持ち、責任ある仕事に若いうちから取り組める点に、大成建設の仕事のやりがいを感じます。私は入社4年目で一つの工区のリーダーを任されるなど、若手の頃から自分の判断で仕事を進められており、それが自信にもつながっています。また立場や年齢の壁を越えて、様々な人と関わることができ、自分ひとりでは生まれなかった発想や考え方を身につけることができます。

  • 入社理由は何ですか?

    親戚に建築を学んでいた人がおり、その人に憧れて学生時代に建築を学びました。建設業界を目指すようになったのは、都市においてシンボルとなるような建築物に携わりたかったからです。大学院時代に研究で東南アジア(ベトナム・タイ)に行った際、シンボルとなる建築物は人の動きを変え、都市を変化させると実感しました。またリクルーターの方が親身になってくださり、「第二のお父さんと思ってもらっていいよ」という言葉をもらって、「ここで長く働きたい」と思い、最終的に大成建設への入社を決めました。

  • あなたにとって「地図に残る仕事。」とは?

    そこにあることが当たり前に感じるほど、長きにわたって多くの人に利用される建物に携わることです。それだけ多くの人に愛される建物をつくることができれば、この仕事に関われて良かったなと、感じられるのではないかと思っています。

  • 今後の目標を教えてください

    当社におけるDXに携わり、現場の業務効率化に少しでも貢献したいと考えています。加えて、まだ実現できていないものの、お客様のビジネスに役立つようなBIMモデルを構築し、単に建築物を建てるだけではなく、付加価値を提供できる仕事に携わりたいと思っています。

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同僚からのコメント

伊藤 あかね

建築創造エンジニア

平田さんは大学院を修了しているため、私よりも入社年は後なのですが、同い年ということもあり、良き友人でもあります。平田さんがデジタルプロダクトセンター建築生産室に赴任してきたときからの付き合いで、担当するプロジェクトは別なのですが、互いに分からない分野の仕事を教え合ったりと、切磋琢磨できる同僚です。平田さんは性格的にも穏やかで、誰に対してもフラットに接してくれる人なので、プライベートで一緒の時間を過ごすこともあります。実は先日、平田さんの家にお邪魔して、奥さんと娘さんにもお会いしました(笑)友人としても仕事仲間としても良い関係性が築けています。

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