デジタル

業界の未来を拓くデジタル革新

茅野 緑の写真

デジタル

業界の未来を拓くデジタル革新

大成建設はDXを推進し業務効率化を達成するため、さまざまなシステムの刷新や新システムの開発に積極的に取り組んでいる。核となるのは情報企画部。そのなかのデジタル推進室に所属する茅野は、主に人事や総務部門の業務に関連したシステムの企画を任されている。人事・総務部門へのヒアリングでは、デジタル化したい業務の目的、手順、課題を聞き取り、その情報をもとにITベンダーなどと協働してシステムの仕様を検討。完成すれば社員(ユーザー)へのレクチャーを通じて浸透させる。「誰でも滞りなく利用できるように、相手が難しいと感じそうな操作や仕様に関して先回りして説明するように意識しています。『わかりやすかった』と言ってもらえると嬉しいですね」

INTERVIEW

茅野 緑の写真

茅野 緑

MIDORI CHINO

基幹理工学部 情報通信学科 卒
2021年入社

※内容は取材当時のものです

仲間と達成した地図に残る仕事

ユーザー目線で役立つシステムの実現を

初めて携わったプロジェクトは、とある現場向けシステムの新規開発だった。プログラミング初心者だった茅野にとって、次々と新しい知識を身につけるのは容易ではなかったが、チームの立ち上げから開発、ユーザーへの展開にいたるまで、幅広い工程に立ち会えたことは貴重な経験だった。

大成建設の作業所長は複数の現場を率いているケースも多く、日頃からそれぞれの状況を把握しておかねばならない。また、豪雨や地震などの事態が発生した際には、異常をいち早く見つける必要がある。そこで開発を目指したのは、現場の状況を誰でも一目で把握できるような管理システム。出勤状況や作業進捗といった日常業務の把握から、湿度計や騒音振動計、風速計などのセンサーから得た数値をグラフ化するセンサー反応の可視化に取り組んだ。

「私は作業所での現場経験がなく、初めのうちはわからないことばかりだったので、いろいろなWebサイトや文献をあたったり、先輩に相談したりして、少しずつコード(※)を書けるようになりました。挫けそうになったときには、ペアを組んでいた同年代の社員と互いに励まし合ったりしてモチベーションを維持するようにしていました」

コードを書き、正しくシステムが実行できれば一安心。うまく作動しなければ原因を追求し、一つひとつ直していく。プログラミングと正面から向き合わねばならない、地道な作業だった。そんなある日、現場でのヒアリングに同行する機会を得る。そこで見たのは、自分たちが苦労してつくったシステムをタブレットで確認し、「良いね、これ」と喜ぶ現場社員の姿だった。

「リアルな反応を目にして、『私は現場のために仕事をしているのだ』と改めて気づかされました。日々の業務はプログラムが動くか動かないかということに意識が向きがちですが、『現場の負担を減らす』という大きな目的に目を向けるきっかけになったと思います」

誰のために、何のためにシステムを開発するのか。その視点なくして、有意義なシステムの開発はなし得ない。茅野は現在、人事・総務部門の業務のシステム化に携わっている。ユーザーが変わっても、あの日現場で得た心構えは持ち続けている。システムを導入してよかった、新しいシステムで快適になったと言ってもらえるよう、どのような課題を解決したいのか、システムがどのような成果をもたらすのか、常にその目的を自分なりに考えて取り組む。これが茅野の信念だ。

(※)プログラミング言語で書かれた、コンピュータプログラムを表現するテキストファイルのこと

仲間と達成した地図に残る仕事の画像

仕事について

  • 仕事のやりがいは何ですか?

    会社全体で使う大規模なシステムから、部門や現場単位で運用する小規模なツールまで、多様な相談や依頼が寄せられるので、適切な解決法を導き出せると達成感を感じます。相談されるたび社内のさまざまな業務に関して知見を広げることができ、常に好奇心を持って働くことができています。また、最近注力しているのは若手中心で進めているプロジェクト。社員同士で問題提起し、業務効率化を図る機能の開発に至りました。

  • 入社理由は何ですか?

    DXを推し進めることで建設業界を変えたいと考えたからです。就職活動の際はIT企業で取引先のDXをサポートするような仕事も検討しましたが、次第に自社のDXを自らの手で実現したいと思うように。なかでも建設業界は人手不足や長時間労働などの問題を抱えていて、IT人材が活躍できる幅が広いと考えました。当社の情報部門はインフラ系・管理系システム、現場向けシステムの開発、ICTツールの推進、全てを担っていることから、入社を決意しました。

  • あなたにとって「地図に残る仕事。」とは?

    AIやICT技術を活用した安心・安全な現場をつくることが、「地図に残る仕事。」における私の役割だと考えています。建設の仕事のなかでも、職人さんが手作業で行うような業務は、機械で代替することが難しいのですが、作業の記録や簡易的な点検など、自動化できる業務も多くあると感じます。こうした領域から徐々に負担を軽減していくことで、人手不足・長時間労働を解消し、建設業に憧れを持つ人を増やしていけたらと思っています。

  • 今後の目標を教えてください

    業界トレンドの先を行くDXを会社規模で実現したいです。現在は人事・総務部門の業務理解を深め、どんなシステムが役に立つかを模索している段階ですが、コーポレート部門は複数の部署が密接に関わっていることも多いため、今後はより部門横断的な知識を身につけて、新システムの企画・開発を進めます。システム導入後は、利用方法の浸透・定着のための施策も欠かせません。誰からも信頼される情報企画部員になるべく、会社全体を俯瞰して課題解決に努めたいです。

仕事についての画像