機械創造エンジニア

大型機械を司り、現場を動かす

稲田 健司の写真

機械創造エンジニア

大型機械を司り、現場を動かす

プロジェクトに欠かすことのできないタワークレーンや、工事用エレベーターなどの建設機械。それらを差配するのは機械系社員である。建設機械の組立・解体作業の事前準備や作業調整、組立後の労働基準監督署検査における対応などを行う。学生時代に機械を学んでいた者の多くは、メーカーなどの製造業を志望するが、建設業のスケール感に魅了され、入社を希望する人もいる。2020年に入社した稲田もその一人だ。 「大成建設が手がけるプロジェクトの規模感は、他業種では味わえないもの。『地図に残る仕事。』には大きなロマンがあります」

INTERVIEW

稲田 健司の写真

稲田 健司

KENJI INADA

工学研究科 機械工学専攻 修了
2020年入社

※内容は取材当時のものです

仲間と達成した地図に残る仕事

素直に向き合い、伝わる想い

大学時代、稲田は毎日のように新たな国立競技場の建設現場を眺めていた。所属するアイスホッケー部の活動拠点が、現場のすぐ近くにあったからだ。「すごい仕事だなあ……。いつかこんな仕事に携われたら良いな」。当時はそんなふうに思っていた。

大学では機械工学を専攻。親しい友人たちは自動車メーカーや重工メーカーに就職していった。メーカーの研究職も興味はあったが、稲田は別の道を志した。

「メーカーの研究職と比べ、建設会社が手がける仕事はスケールが全く異なります。機械を学んだ学生が建設業界に進むことはあまり多くありませんが、それ以上に大きなプロジェクトへの憧れがありました。大成建設が新しい国立競技場の設計・施工していたことはもちろんですが、当社は同業他社に比べて機械の社員数が少なく、その分若手のうちから重要な案件に携われるのではないかと思い、志望しました」

念願叶って、大成建設に入社。最初の配属は東京・西新宿の再開発の現場だった。工事で使用するタワークレーンや工事用エレベーターなど、建設機械に関する計画や手配などを担う。数百人の職人が働く大規模な工事現場。彼は全身にのしかかる重圧を感じた。

「建設機械は、一つの間違いが重大な事故や工期の遅延につながります。安全に対する責任と工程に対する責任は計り知れません。何より私自身、これまで建築や土木を学んできたわけではないため、現場で飛び交う言葉が全く分かりませんでした。現場を歩いていれば、同僚や職人さんから『ここはどうなっているんだ?』と話しかけられます。はじめのうちはその内容が理解できず、苦労しました」

専門分野でないうえに、経験も浅い。自分のミスによって、工事を遅らせてしまう可能性もある。さて、どうするべきか。稲田の出した答えは、とてもシンプルだった。

「分からなければ、聞けば良いんです。上司はもちろんのこと、現場で作業をする職人さんたちも、教えを乞えば丁寧に教えてくれます。また、疑問点などがあればその場でメモを取り、あとで調べて勉強すること。まだまだ分からないことだらけですが、少しずつ知識が身に付いてきたと思います」

知識が増えてくると、円滑なコミュニケーションが取れるようになる。職人からの質問にもその場で答えられるようになっていった。何かあればすぐ質問し、教えてもらう。そんな彼の前向きな姿勢は、周囲にも伝わっている。だからこそ稲田の周りには、いつも人が集まってくる。

「おい稲田!そんなところで何やってんだ(笑)」
「ちょっとここの部分、教えてもらいたくて(笑)良いですか?」
「仕方ねえなあ!」
そんなやりとりは日常茶飯事。

「色んな人に可愛がってもらいながら、責任の大きなプロジェクトにチャレンジできる。この仕事の魅力だなって思います」。そう言って照れ臭そうに、稲田は微笑んだ。

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仕事について

  • 仕事のやりがいは何ですか?

    タワークレーンと工事用エレベーターは、どちらも工事における重要なインフラ設備ですので、欠かすことができません。現場内における多岐にわたる作業調整や、労働基準監督署による検査対応など、緊張の糸が張り詰めている時間も多いのですが、諦めることなくやり遂げ、機械が無事に稼働している光景を見ると、大きな達成感とやりがいを感じます。これは他業界の機械系社員では味わうことのできない醍醐味だと思います。

  • 入社理由は何ですか?

    大学院で機械工学を専攻していたため、就職活動の初めはメーカーを目指していましたが、国立競技場の建設を目の当たりにしていたこともあり、大成建設のインターンシップに参加してみました。初めて工事現場に入ってみると、メーカーでは携わることのできない規模のものづくりが行われていることを知り、建設業を志望するようになりました。大成建設は同業他社に比べ、機械系社員が多くないのですが、その分若手のうちから重要な案件に携われるだろうと感じ、入社を決めました。

  • あなたにとって「地図に残る仕事。」とは?

    私が担当している現場はまだ工事中ですが、見るたびにその高さが増しており、確実に竣工に近づいていることを実感します。こうしたプロジェクトに携わってみると、本当に地図が変化するほどの大きな仕事を担っているんだなと、身が引き締まります。大変なことは多いですが、そんなロマンがある仕事だと思っています。

  • 今後の目標を教えてください

    本社に異動となったので、まずはここでの業務をマスターすることです。今はとても尊敬できる先輩方のもとで日々勉強しながら業務をこなしていますが、少しでも多くの知識や経験を重ねて、早く一人前になりたいと思っています。また、業務を通じて得た知識と経験をもとに大型機械の開発にも携わりたいと考えています。

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同僚からのコメント

伊勢馬場 渉

機械創造エンジニア

稲田君はまだ入社して日は浅いですが、自分の意思を持ち、自ら行動できる力があります。現場の職人さんとも密に連携が取れていますので、安心して現場を任せられるようになりました。知識はまだまだですが、稲田君には自分から吸収しようとする姿勢があるので、大丈夫だと思っています。これからは建設における計画段階のことなども学び、より上流工程から携われるような人材になってくれたらと期待しています。

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