原子力

国を守る責任感が、自らを育む

原子力

国を守る責任感が、自らを育む

大西は現在、原子力本部にて、原子力発電所に関連する建物の設計、解析、研究を行っている。地震や重大な事故が起きたときのことを想定し、原子力発電所の構造解析や構造強化を促す新材料の研究を行うのが主な仕事だ。そうした解析や研究によって開発された技術が、建物へと反映される。「原子力施設なので、品質管理が何よりも重要です。ミスは絶対に許されません。国を守るという強い責任感を持ち、より安全な構造を見つけ出せるように日々研究しています」

INTERVIEW

大西 智也の写真

大西 智也

TOMOYA ONISHI

人間環境学府 都市共生デザイン専攻 修了
2015年入社

※内容は取材当時のものです

仲間と達成した地図に残る仕事

未来に安全を届けていく

入社3年目、大西は未知のプロジェクトに挑んでいた。携わったのは、原子力発電所の敷地内に建設する関連施設の設計。電力会社から設計依頼を受け、設計者の一人として任命されたのが大西だった。施設は大規模かつ地中に埋まる構造物ゆえに、あらゆる事態を想定したうえでの安全性担保が求められた。

「岩盤の固さや地下水の深さ、建物にかかる土圧、発生し得る地震の種類に至るまで、様々なケーススタディに沿って安全確認を行いました。通常の建物であれば、これほど細かくチェックを行うことはありません。確認を行う際、建物の複雑な形状を3次元の解析モデルで構築したことで、より詳細な検討ができました」

しかし、高い安全性が求められる施設だけに、一筋縄ではいかない。原子力関連施設を建てる際は、施設内に導入する機械の性能をあらかじめ決める必要がある。そのため機械の仕様が定まらなければ、大枠の構造を決めることもできない。本件では機械メーカーと共に案件を進めていたこともあり、仕様の決定が難航した。

「施設を建てるにあたり、最終的には原子力規制委員会による、建物の安全性に関する審査が行われます。その際、建物の重さまで正確に計算したうえでの申請が欠かせません。当然のことながら、機械の仕様が決まらなければ、重さを算出することは不可能です。また、メーカーの仕様変更にもできる限り応えつつ、安全性を担保する必要があります」

そうした難しい状況のなかで、大西は電力会社の担当者と何度も意見を交わし、調整を続けた。加えて、構造面では未決定事項も想定して壁や床の設計をするなど、柔軟な対応を心がけた。そうした試行錯誤を重ねた結果、ようやく設計書は完成し、審査を通過した。

「一般的な建物と比べると、お客様から求められる品質や安全基準は圧倒的に高かったと思います。しかしお客様はもとより、周囲で暮らす人々のことを考えれば、自然と緊張感が生まれます。これほど責任の大きなプロジェクトには、なかなか携われないと思っています」

原子力担当という職種そのものは、大成建設の中でも決して人数が多いわけではない。それでもそこには、国の未来と安全を守る、大きな使命がある。

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仕事について

  • 仕事のやりがいは何ですか?

    大成建設が手がける建物は、当社だけでなく発注者や協力会社など、多くの人が関わり合い、建設されていきます。そのためプロジェクトごとに、たくさんの人との出会いがあり、仕事をしていくうえでの財産になります。あるプロジェクトで大きな課題に直面した際に、別のプロジェクトで知り合った方に協力してもらい、困難を乗り越えられた経験もあります。そうした方々と助け合いながら、大きな建物をつくりあげていくことに日々やりがいを感じています。

  • 入社理由は何ですか?

    大学時代に建築を学んでいたことから、建設業界を志望しました。様々な企業を見ていく中で、大成建設は若手社員の方が裁量を持ちながら仕事を行っている様子が分かり、風通しの良さを感じました。またリクルーターの方から、私が学生時代に取り組んでいた建築構造解析に関する研究が、原子力分野で活かせることを教えていただき、興味を抱いたことも決め手の一つです。

  • あなたにとって「地図に残る仕事。」とは?

    「未来に安心を残す仕事」だと考えています。エネルギー供給問題や地球温暖化など先が読めない分野ではありますが、そうした大きな仕事に携わっている責任感がモチベーションにもつながっています。これからの安心・安全なエネルギー供給を影で支え、社会に貢献していきたいです。

  • 今後の目標を教えてください

    当面の間は、原子力事業に関わっていきたいと考えています。原子力発電は、2011年に起こった東日本大震災以降、その利用について様々な議論があり、今後の未来を予想することは容易ではありません。加えて、再稼働や廃炉作業を行うにも高い技術力が求められます。そのため、今まで培った知識や経験を活かしながら、お客様の幅広い要求に応えられるよう、専門的な技術の継承と進化を進めていきたいと考えています。また、原子力事業で培った複雑な解析技術や安全性に対するノウハウを他の分野にも活かしていきたいです。

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同僚からのコメント

小寺 健三

原子力

大西さんとは、私が入社して以来、同じ部署で働いています。年齢も2つ上ということで、仕事で悩んだときには、すぐに相談に乗っていただいています。特に入社して間もない頃は、経験の少ない私でもこなせそうな仕事を選んで指導してくださり、着実に成長することができたと感じています。最近は大西さんが関わっていない案件であっても、相談に乗っていただいています(笑)私も大西さんのように、面倒見の良い先輩社員になれたらと思っているのですが……その背中は遠いですね。また自分の経験を伝えていくだけでなく、部下の意見も尊重し、受け止めてくださるところも見習いたいと思っています。

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